[tab:英語]
- Polyamide
- Nylon(商標、別名)
[tab:歴史]
- 1935年にアメリカのデュポン社の研究員であるカロザース博士により合成された。
- 初期は石炭
- 一般的にはナイロンという名前で普及している素材だが、ナイロンという名称は、最初に開発したデュポン社の商標名である。
- ナイロンの種類別の需要は、ナイロン6が70~80%ほどの生産量で大半を占めており、次にナイロン6,6が20数パーセント、その他のナイロンが残り少数となっている。
[tab:特性・構造]
- 化学的な名称は”ポリアミド”といい、名前の通りアミド基が多く結合している状態のものを言う。
- ナイロンの種類はたくさんあり、繰り返し構造単位にアミド基を持つが、その結合の間に何がどのように結合されているかによって、色々なポリアミドが出来る。
- 繰り返し構造単位のアミド結合に含まれている炭素原子の数によって、ナイロン6やナイロン11などと識別されている。
- 芳香族骨格のみで構成されるポリアミドは、アラミドとして区別されている。
- ポリアミドの分子構造の中で、アミド基の役目は、隣接する分子鎖、あるいは同じ鎖の中のアミド基の間で、強い相互作用をすることにより、非常に強い結合状態を作ることが出来る。そのため、大変強靭な材料となる。
- アミド基には、吸湿性が良いという特徴もある。雰囲気にある水分に対して、高い親和性を持っており、積極的に水分を取り込むことを行う。
- 吸湿したポリアミドは、剛性が低下してしまう問題がある反面、耐衝撃性が向上する傾向がある。
- 吸水した水分が潤滑剤となり、耐摩耗性が向上する。
- ポリアミドは、メチレン鎖に対するアミド基の割合が多くなると、材料としての吸湿性が高くなるため、衣料用の繊維として活用することが出来る。
- 反面、吸湿したポリアミドは、寸法の安定性の低下につながる他、機械的性質が低下又は異なる事があるため、歯車やボルトなどエンジニアリングプラスチックとしての活用は注意をする必要がある。
平衡水分吸着量(温度23℃、相対湿度100%)
- ナイロン4: 10%以上
- ナイロン6,6: 9%
- ナイロン11: 1.9%
- ナイロン612: 3%
加工方法・融点
- ポリアミドは融点と分解温度が接近しているため、加工時の過熱には気をつける必要がある。
- 融点は、ポリアミドの繰り返し構造単位当りのメチレン鎖の数が増えるほど低下する。
[tab:合成法]
ポリアミドの合成方法は、大きく分けて2種類の方法がある。
① 二塩基性酸とジアミンとを縮合反応させたポリアミド
- ナイロン6,6の場合は、二塩基性酸にアジピン酸、ジアミンとしてはヘキサメチレンジアミンを縮合反応の出発原料として用いる
- ナイロンMXD6は、ヘキサメチレンジアミンの代わりに、メタキシレンジアミンをアジピン酸と反応をさせることで合成する。
- これは、、繰り返し構造の半分が芳香族環構造のポリアミドとなる。
- 同じくナイロン6Tと呼ばれるポリアミドは、アジピン酸の代わりにテレフタル酸を用いて合成される。
- 融点が370℃あり、耐熱性に優れている。
- 反応する原料のメチレン鎖の代わりに、全てを芳香環で置き換えた化合物を用いると、最高強度のアラミド繊維(ケブラー)が合成される。
- ナイロン610やナイロン612は、それぞれヘキサメチレンジアミンの代わりに、セバシン酸又はドデカジオン酸を反応させて合成される。
② 環状の化合物を出発原料として、この環を開かせて原子、分子を付加していく形で、目標のポリアミドを合成する。
[tab:利用用途]
ナイロン6、ナイロン6,6
- 繊維(衣料品、工業品)
- 歯車
- ボルト/ナット
- ファスナー
- 自動車プラスチック部品
- 電化製品プラスチック部品
- ハウジング
ナイロン6
- 漁網
- 食品包装用フィルム
ナイロン11、ナイロン12
- ホース
- チューブ
- 塗料
- 接着剤
- バトミントンの羽
アラミド
- 繊維(工業用手袋他衣料品、工業製品
- タイヤコード
- 補強材(コンクリート、ヘルメット、防弾チョッキ等)
[tab:END]